- 2014.11.09
東北震災の復興状況を視察。
RC-Z家の会共同組合では、11月5,6日と東北仙台から気仙沼までを視察して参りました。
目的は震災の復興状況を確認することと、同じ工法を採用する気仙沼の会社さんと情報交換しながら親睦を深めること。
まずは仙台市若林区からです。
海岸線に近いこともあり、被害の大きかった場所ですが、まだまだ復興にはほど遠い印象です。
しかし、よく見ると所々に土が盛られているのがわかります。
確かにガレキの撤去は終わっているものの、住宅の基礎などはまだそのまま残されています。
想像して下さい。今皆さんの暮らしている町が、一瞬にしてこのような状態になってしまうことを。
海岸近くには慰霊碑が作られていました。
全員で手を合わせ参りました。
石巻市に入っても状況はほとんど変わりません。
所々に写真のような足場が組まれていて、地盤のかさ上げ(盛り土)の高さや、新しい道路の高さが示されています。
もの凄い量のダンプカーが行き交っていますが、いったいいつまで続くのか、想像することが出来ません。
女川町にはいまだに津波で倒されたビルがそのまま残されていました。
本当に津波の力とその恐ろしさを感じる風景ですが、実際に目の当たりにすると圧倒されて声が出ません。
南三陸町の防災対策庁舎です。
報道でも多く取り上げられていましたので、記憶にある方も多いのではないでしょうか。
この建物はご覧のように鉄骨造でしたが、外壁に使われていたALCという気泡コンクリートパネルが粉砕されてくれたので、津波の力を逃すことが出来たようです。
現地では、被災された住民の方がボランティアで当時のことを語ってくれましたが、一方で今後の復興プランに対する不満や不安も言っておられました。
この辺りも地盤の造成工事が進んでいるようでした。
この建物を残すのか、最終的に撤去するのかわかりませんが、出来ることなら雨風を防ぐ形にして、保存してほしいと思います。
休憩は仮設でがんばっておられる商店街を応援に。
このような仮設の商店街が所々にあります。是非足を運んでいただき、いっぱいご利用頂けると、少しは復興のお役に立てるのではないでしょうか。
この建物は、今回同行していただいた気仙沼の業者さんが施工されたものです。
海岸から数百メートルという位置にも関わらず、倒壊や不同沈下も無く、立派に残っていました。
もちろん震災前には、周りにも多くの住宅がありましたが、すべて津波で流されてしまったようです。
あらためて鉄筋コンクリート住宅の実力を思い知らされる光景です。
しかし、周辺ではここも例外なく盛り土工事が進められていました。
海岸側では、防波堤工事が進められていて、もの凄い数のクレーンや重機が動いていました。
現地周辺、あるいは口伝えによって、RC(鉄筋コンクリート)住宅の強さは相当認められているようですので、今後はより普及が進みそうです。
気仙沼でも状況は同じで、港付近にある従来の商店街はほぼそのままで、所々にある仮設店舗を集めた商店でがんばっていました。
今回の視察では、震災から3年を過ぎても、まだまだ復興にはほど遠い状況という印象でしたし、復興するための新しいまちづくりや都市計画、予算配分の方法など、建築に携わる私たちでも、疑問の残ることが多かったです。
現地の方ですら、いったいどうなるのかわからない、ということをおっしゃっていましたし、そんな中で将来を想像したり、希望を持つことの難しさを痛感いたしました。
私たちRC-Z家の会共同組合では、少しでも復興のお役に立てるよう、出来る支援と応援を、これからも続けていきたいと思っています。