外の熱を伝えない、中の熱を逃さないから省エネルギー。
気密・断熱性が悪い家は、夏、外が暑ければ室内も暑くなります。室内の温度は逃げやすいので快適な温度に調整するためにはお金がたくさんかかります。熱を伝えない、移動を遅くする。その基本性能をしっかり持った家は、快適で省エネルギーな生活を実現してくれます。
夏涼しく、冬暖かい。決め手は気密と断熱。
例えば室温30℃の部屋を23℃にする場合の燃料費は、断熱材のあるなしに関わらず基本的には同じです。しかし断熱化することにより、外気温の影響と、室内の冷気を外気に逃す割合が小さくなり、冷房した室温を維持するエネルギーには大きな違いが出てきます。
外気の温度が伝わりにくく、室温が外部に漏れにくいということは、言い換えれば住まい全体の室温の差が少ないということになります。
コンクリートという物質は熱を貯める量が、他の素材に比べてとても大きな能力を持っています。この特性は言い換えると「暖まりにくくて、冷めにくい」ということができます。これにより室内の温度変化が外気温に同調しにくくなります。コンクリートは液体を流し込んで作り上げるため、硬化した後は経年によって気密性を損なうような性能の変化が少なくなります。
経年変化の少ない断熱材でいつまでも変わらない性能。
鉄筋コンクリートの家に使用される断熱材はEPS(ビーズ法ポリスチレンフォーム)という素材で、50年以上経過してもほとんど劣化することなく、その性能を持続します。ちなみに木造住宅等で使用されるグラスウール(ガラス繊維系断熱材)は、壁内部で水分を吸収し、カビが発生したり収縮してしまったりして、著しく断熱性能が低下する場合があります。水分に弱いというのが、繊維系断熱材の弱点です。
また、鉄筋コンクリート住宅の断熱材は隙間なく連続して張り込めますが、一般木造は断熱材の入らない部分ができてしまい、熱橋を作ったり、隙間が出来たりして、気密・断熱性能が低下してしまいます。
▲木造住宅の壁内部でカビが発生したグラスウール
- 一般木造の断熱
- 柱と柱の間に断熱材を入れるため、継ぎ目や隙間が生じ、気密性が悪い。また柱が熱橋となり、結露も生じやすい。
- コンクリートの断熱
- コンクリート蓄熱体の内側を断熱材が連続して覆うため、高い気密・断熱性能が発揮されます。